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スキルアップ

2018/08/24

バリスタ必須スキルその①『カッピング』について/コラム連載vol.3(松原 大地氏)

カッピングについて

 こんにちは。前回はバリスタの資格についてお話しさせて頂きましたが、今回からはバリスタトレーニングラボで私たちが行なっている講習の中から具体的なトレーニングの内容を一部ご紹介させて頂きます。今回は、バリスタ必須スキルである『カッピング』についてご紹介します。

>>前回の記事「世界で通用するバリスタ資格を取得しよう!」はこちら

コーヒーの『カッピング』とは?

コーヒーの『カッピング』とは?

 バリスタトレーニングラボの講習の中でも毎月必ず実施しているものの一つに『カッピング』があります。『カッピング(Cupping)』とはコーヒーにおける原料の味覚の評価、つまり『テイスティング』のことですが、なぜテイスティングと言わずにカッピングと呼んでいるのかご存知でしょうか?

 まずは元となっている『カップ(Cup)』という言葉からご説明いたします。この『カップ』という言葉はコーヒー業界ではよく使用され、抽出されカップに入っているコーヒーの液体、または味覚のことを指します。

 例えば『このエチオピアはカップクオリティが高いですね』などと言った場合、このコーヒーの味覚の品質が高いということになります。

 また、スペシャルティコーヒー業界が掲げているスローガンに『Seed to Cup(シード トゥー カップ)』というものがあります。これは直訳すると『種子からカップまで』という意味ですが、もう少し詳しく説明するとコーヒーが栽培されている『種子』の段階から、実際にお客様が口にする抽出され液体になったコーヒーが1つの『カップ』に入っている段階までということです。そしてこの標語の要旨としては”生産段階からお客様が口にするまでの様々な工程においてしっかりと品質管理を行おう”という意味合いになります。

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コーヒーが種子から1杯のカップになるまでの行程(焙煎)

 ちなみにコーヒーが種子から1杯のカップになるまでの行程は、大まかに区別すると下記のようになります。

栽培(種子)→収穫→生産処理→輸出入→保管→焙煎→抽出→お客様(カップ)

 ですのでコーヒー業界ではこの『カップ』という言葉から、液体としてのコーヒーの味覚を確認するテイスティングのことを『カッピング』と呼んでいます。また、職業としてプロフェッショナルに『カッピング』を行なっている人のことを『カッパー(Cupper)』と呼んだりします。

『カッピング』の際になぜすすりながら飲むの?

『カッピング』の際になぜすすりながら飲むの?

 カッピングの際に、スプーンでコーヒーをすくい、それを勢いよくすすりながらテイスティングをしている光景を目にしたことがある人もいるかもしれません。ではなぜすすりながらテイスティングをする必要があるのでしょうか?もちろん普段は私達もコーヒーカップに直接口をつけてコーヒーを飲みますが、カッピングの際はそのコーヒーの素材としての評価を行いますので、そのコーヒーが持っている香りや味覚の特徴を余すところなく感じる必要があります。

 特に近年主流のスペシャルティグレードのコーヒーは『フレーバー』といってそれぞれの産地固有の風味特性があり、一般的なコマーシャルコーヒーと比較し、とても際立ったフレーバーを有しています。

カッピングしている女性

 そしてこのフレーバーは嗅覚と味覚の両面から感じられる印象によって決まりますので、普通に液体を口に含み舌の上で感じる味覚だけでは、嗅覚で感じる香りの印象を捉えることが難しいのです。 そこで液体を勢いよくすすり、口の奥から鼻腔まで霧状の液体を届かせる事によって鼻腔内の嗅球がセンサーとなり、いわゆるアロマ(香り)を感じることができます。

 例えば私達がよく使用するフレーバーで『フローラル』という表現があります。これは『花のような』という意味ですが、コーヒーを飲んだ時にまるで花のような芳しい香りがした際に使用する表現です。つまりこういった香りから連想させられるフレーバーも含めてそのコーヒーの全体像を把握したい時には、味覚だけではなく嗅覚も使ってフレーバーを捉えていく必要があります。これがカッピングの際に勢いよくすすりながらテイスティングする最大の理由です。

カッピングスプーン

 ちなみにカッピングの際に使用するスプーンは『カッピングスプーン』と呼ばれています。大きさや形がスープ用のスプーンに非常に似ていますが、元々はスープスプーンの形状をヒントに作られたと言われているので似ていて当然ですね。

なぜバリスタに『カッピング』のスキルが必要?

なぜバリスタに『カッピング』のスキルが必要?

 一昔前だとバリスタがカッピングをすることはありませんでした。以前はコーヒーを買い付けるバイヤーや輸出入を行う商社のカッパーが原料のクオリティを確認するために行ったり、ロースターが焙煎の良し悪しを判断するために行うというのが一般的でした。しかしスペシャルティコーヒーの需要が増加してきている昨今はバリスタ自身がどういったフレーバーのコーヒーを仕入れ、それをどのようにお客様に提供したいかという事を考えることもバリスタの重要な業務になってきています。

 シェフが仕入れの際に良い食材を見極めるのと全く同じ感覚で、バリスタもコーヒーの原料としての品質や焙煎のクオリティを見極めるためにカッピングを行う必要があります。

コーヒーのフレーバー

 先ほどの『Seed to Cup』のスローガンにも繋がってくるのですが、原料としてのコーヒー生豆自体がいかにハイクオリティでも生産処理や保管状態、焙煎が悪ければ、バリスタが美味しく抽出しようと努力しても結果としてのカップは良いものにはなりません。そこでバリスタが抽出する前にカッピングを行うことで、原料の品質の把握はもちろん、焙煎状態やフレーバーを確認することで、それをどう調理(抽出)するべきかというイメージを掴むことができますし、またお客様に提供したい味わいのコーヒーを自分の舌で確認して仕入れることができます。

 今後ますますバリスタの役割や業務内容の幅が広がってくると思います。ぜひバイヤーやロースターのみならずバリスタもカッピングのスキルを向上させ、お客様へのより素晴らしい品質のコーヒー提供に繋げることができればと思っています。

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まとめ

バリスタトレーニングラボのカッピングの講習風景

 今回はカッピングについてお話しさせて頂きましたが、いかがだったでしょうか。今後コーヒー関係のお仕事に就きたいなと思っている方にとっては、バリスタのみならず様々なセクションで必要なスキルになってきますので、ぜひ練習をお勧めします。

 最近ではどなたでも気軽に参加できるパブリックカッピングを開催するコーヒーショップも増えてきていますので、まずはそういったカッピング会に参加するのも良いかもしれません。

 バリスタトレーニングラボでも毎月カッピングの講習を開催しており、カッピングの際のレシピや準備の手順はもちろん、毎回10種類以上のコーヒーの味覚を比較することができます。

 場合によっては国内外問わず様々なロースターのゲストコーヒーもご用意しておりますので、毎回違ったカッピング体験ができます。初心者でもわかりやすく解説致しますので、まずはお気軽にご参加頂ければ幸いです。

 カッピングは今後バリスタにとって必須スキルです。習得するまで少し時間はかかるかもしれませんが、ぜひ継続して練習して頂ければと思います。

プロフィール

松原大地さんプロフィール
アンリミテッド株式会社(バリスタトレーニングラボ東京)

ディレクター / バリスタトレーナー 松原 大地

【経歴】

2011年よりバリスタの世界大会であるWorld Barista Championship (ワールド バリスタ チャンピオンシップ)にて審査員を務める。 2013年メルボルン大会ではアジア人初の決勝テクニカルジャッジに、 2015年シアトル大会では日本人初の決勝センサリージャッジに選出される。 その他国内外の数々のバリスタ競技会の審査員として活動をしながらアンリミテッド株式会社を設立。また現在バリスタギルド・オブ・ジャパンの代表としてSCA(Specialty Coffee Association)の国際的な資格プログラムである『COFFEE SKILLS PROGRAM』の運営も行なっている。

【住所】

〒130-0002 東京都墨田区業平1-18-2 2F

【TEL/FAX】

03-5604-5805  / 03-6730-9510

【HP】

http://www.baristatraininglab.com

【MAIL】

contact@baristatraininglab.com


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