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2018/07/26

世界一の若手シェフを決める大会「サンペレグリノヤングシェフ2018」で優勝した日本人シェフ藤尾康浩さんとは?

サンペレグリノヤングシェフ

 2018年5月12日、イタリアの飲料メーカー「サンペレグリノ社」がミラノで開催した、30歳以下の料理人世界一を決める国際料理コンクールで、日本人シェフ藤尾康浩さんが優勝したと報じられました。世界中の若手シェフをはねのけ、世界を制覇した料理とはどのようなものだったのでしょうか。今回は、世界が注目する日本人シェフ藤尾康浩さんと、世界一の若手シェフを決める「サンペレグリノヤングシェフ」大会についてご紹介します。

「サンペレグリノヤングシェフ」とは?

サンペレグリノ ヤングシェフ
出典:https://www.sanpellegrino.com/jp/jp/young-chef-finalists-milan-3226

 今年で3回目の開催となる「サンペレグリノ ヤングシェフ」は、才能ある若手料理人の発掘を目的に、イタリアの飲料メーカーサンペレグリノ社が主催する料理のコンクールです。出場条件は、30歳以下かつレストランで1年以上、シェフ・スーシェフ・部門シェフ・料理人として勤務経験が必要で、料理のジャンルは問わず、欧米やアジア、アフリカなど世界中からシェフを選定します。世界を地域ごとに21地区にわけ、その中から10名ずつを選出し、地区大会が行なわれます。その後、各地区の代表を1名選出し、本選に臨むという流れです。

 本選での評価基準は「1.素材 2. 技術 3. 才能 4. 美しさ 5. メッセージ性」の5点です。この退会独自のシステムとして『メンターシェフ制度』というものがあり、地区ごとに指定の「メンターシェフ」と組み、各々の料理をブラッシュアップしていきます。この大会は、アドバイスをして手助けするメンターシェフと、実際に料理を作るヤングシェフの二人三脚で戦うといっても過言ではありません。

 ちなみに今年優勝した藤尾シェフは、大賞を受賞しただけでなく、参加したメンターが選ぶ「アクアパンナ賞」(素材に対して最もリスペクトが高かったシェフに送られる)にも輝き、なんとダブル受賞という快挙を成し遂げました。アクアパンナ賞の受賞が発表された際、誰よりも喜び泣いていたのが、メンターのルカ・ファンテン氏(ブルガリ・イル・リストランテ ルカ・ファンティン)だったというのは、メンターとヤングシェフの関係性の素晴らしさを感じます。こうして本選を勝ち進み、見事優勝を果たしたヤングシェフは、世界中のイベントに招かれ、ワールドワイドにキャリアを積むことができることが可能になるんです。

大会で披露した藤尾康浩さんの料理は、あの食材が使われていた!

 藤尾さんがこの大会で優勝を勝ち取った料理は、日本でもおなじみの鮎を使った料理でした。初夏の短い時期しか獲れず、日本の四季や日本人の精神性を表現できる、ということでのチョイスだったそう。

 シグネチャーディッシュ「Across the Sea」というこの皿は“自然との調和(integration with nature)”を一つのキーワードにしています。メインの食材である鮎は、内臓を丁寧にくりぬき、食べやすいよう黒ニンニクとクリームを合わせて仕立てました。そして身と米、クレソンで作ったムースを詰めて中に戻します。炭火で焼かれた鮎は、川辺の楚々としたたたずまいを思わせ、口に含んだ時に清流の冷たさを連想させます。竹の器に注いだドリンクの材料は、メロンやキュウリ、スイカなど青々とした風味を持ち、日本の夏を思い出させますよね。

 これらを審査員席の近くに持ち込み、鮎を炭火焼きにして盛り付けることで、焼きたての鮎のおいしさをアピール。世界のトップシェフにプレゼンを行い、見事優勝したのです。

2018年大会で優勝した藤尾康浩シェフ

 「サンペレグリノ ヤングシェフ」で見事大会を勝ち抜いた藤尾康浩さんは、一体どんな方なのでしょうか。

 藤尾さんは1987年大阪府に生まれ、15歳でイギリスへ留学し語学を学んだ後、パリの大学に進学。大学在学中にフランス料理に興味を持ち、パリの二つ星店「パッサージュ・サンコントワ」、南仏の「ミラズール」で技術を学び、現在は大阪「ラシーム」のスーシェフを務めています。今回の「第3回 サンペレグリノ ヤングシェフ2018」以前にも、国内で行われた若手料理人向けのコンペティション「RED U-35」において、準グランプリであるゴールドエッグを受賞されるなど、高い評価を受けていました。

 また藤尾さんが勤める「ラ・シーム」は、2018年度のアジア地区のレストランランキング「アジアのベストレストラン50」において、17位にランクインもしています。

本選に出場した藤尾さんは、今大会の日本地区メンターシェフとなった「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」のシェフ、ルカ・ファンティンさんとともに、決勝大会でプレゼンする「Across the Sea」のブラッシュアップをすすめることになりました。ルカさんから『審査員は21人分の料理を審査するのだから、最初の一口で審査が決まる』などの具体的なアドバイスを受け、一見シンプルでありながら、口にふくめば深い世界の広がる「Across the Sea」でもって大会優勝を果たしたのでした。

まとめ

 「サンペレグリノヤングシェフ」という世界的なコンペティションと、2018年度優勝者の藤尾康浩さんについてご紹介しました。この大会の本選に出場するシェフは、世界の第一線で活躍するシェフのサポートを受けながら、世界の強豪と競い合うという貴重な体験をすることができます。

 各国の特色を生かした料理がしのぎあう中、シンプルかつ奥深い、日本古来の精神性ともいうべき「Across the Sea」が優勝ということで、アジア地域における日本人シェフの活躍についても今後に希望が持てる結果となったのではないでしょうか。

 藤尾さんがスーシェフを務める「ラシーム」は、国産・九州の食材をメインに使っており、多くの方から高い評価をえています。今後も、日本本来の食材や調理法と、新しい手法が交わることで、また新しい料理が生まれていくのではと思います。世界大会優勝という輝かしい成果をあげた藤尾シェフの、今後の活躍にも目が離せませんね。

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